RESTAURANTS AND SHOPS
レストラン&ショップ
TOKYO
shunnokitchen
二部桜子
DATE: 2021/12/19
“循環”をテーマにした
野菜メインの料理教室
畑から食卓を経由し、また畑に還る 野菜のいのちを見つめる時間
東京都台東区蔵前にあるレトロなビルの一室にSHUNNO KITCHENのスタジオはある。主宰の二部桜子さんは、ケータリングやフードスタイリングをメインにオンラインショップ運営、HUG Ō WäR(ハグオーワー)自由が丘店のマルシェ出店、料理教室などを通して旬の食材の美味しさ、喜び、四季を伝える食のコミュニケーターとして活動している。2017年のオープン以来、枠にはまらない発想と食材を活かすシンプルな調理の融合、粋なデコレーションセンスが好評だ。季節ごとに様ざまなテーマで行なっている料理教室の中でも、2021年1月から循環をテーマにスタートした不定期の「やさいの教室」は、予約枠がすぐに埋まってしまうほどの人気。千葉県我孫子市で無農薬野菜を作る「自然野菜 のら」の協力のもと、季節ごとに異なる野菜を使い、その場でメニューを考えた野菜のコース料理を味わい、学ぶことができる。
やさいの教室」に参加する人は、各家庭で調理時に出たヘタや芯、皮などの野菜くずをできる限り持参する。大きな鍋の中に次々と収まっていく野菜くずは、野菜の数だけ色があり、まるで鮮やかな水彩画のよう。これら野菜くずと適量の水を弱火で煮出すこと20分、この日はたまたまトマトの皮が少し加わったため、出がらしを丁寧に濾すとピンクがかったきれいな色のベジブロス(野菜の出汁)が完成した。そのまま一口飲んでみると「美味しい!」「味が深い」「ランダムな野菜なのに調和がある」など、反応がほうぼうから返ってくる。今まで捨てていたはずの野菜の切れ端に、こんなにもポテンシャルがあったとは。野菜を余すことなく使えるゼロ・ウェイストクッキングの可能性に触れた喜びは、やはりひとしおだ。